副業ってどうするの?MRから薬剤師転職時に考えるパラレルキャリア学

副業ってどうするの?MRから薬剤師転職時に考えるパラレルキャリア学

副業してますかっ??
MR専門薬剤師転職ラボの です。

風当たりが厳しいとあちらこちらで叫ばれている医薬品業界。
2018年度の診療報酬改定、薬価改定では製薬企業はもちろんのこと、調剤薬局でも大きく影響を受ける内容となりました。

医薬品業界も終身雇用への信頼性は揺らいできています。

そのような中
複数ポケットの収入源を持つために
副業を始める人も増えているようです。

ズバリ!!

このコラムを開いたということは
あなたも『副業』に少しは興味があるようですね?

副業という言葉を
パラレルキャリアと表現されることが増えてきました。

でも・・・

何か難しそう・・・

って感じていませんか?

製薬業界では、一部の企業が早期退職といった人員削減を実施しなければならない最中、今の会社でずっと働いていくのも難しいのではないかと疑問を持たれている方も少なくはないかと思います。
とは言っても、薬剤師の免許を使おうと思い転職を考慮しても、調剤薬局の先行きも不安で結局のところ現状として動きが取りづらいという板挟みのようなお気持ちも持たれている方もおられるのではないのでしょうか。

私はMRから薬剤師へ転職し
国家資格のキャリアコンサルタントとしても活動し
パラレルキャリアな仕事をしています。

そこで今回は
不安を払拭するための新たな働き方、「パラレルキャリア」について紹介させていただきます。

はじめに

 

 

これからの時代は「パラレルキャリア」が必要?

パラレルキャリア。聞き慣れない言葉だと思います。
マネジメントで有名なあのピーター・ドラッガーが自身の著書で紹介している、これからの社会での生き方の一つです。

パラレルキャリアは、現在の仕事以外で別の仕事を持つ、いわゆる副業をすることや、仕事とは別に非営利な活動、例えばボランティアに参加することなどを指しています。

これでは少しパラレルキャリアのイメージがしにくいかと思いますので、わかりやすい例をご紹介します。
代表的なパラレルキャリアの例でいえば、お笑い芸人のキングコング西野亮廣さんがまさにそうです。

西野亮廣さんのお笑い芸人としての活動は、かつてコンビでの漫才を中心に数々の賞を受賞しており、現在ではその傍ら大ヒットした、「えんぴつ町のプペル」の制作者として、絵本作家の一面も強く知られています。
芸人でありながら、絵本作家でもある。仕事をしながら別の仕事を持つ。これこそパラレルキャリアを実践しているといえるでしょう。

ではパラレルキャリアを実践するにあたってはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?

パラレルキャリアのメリットとしては、
・本業とは違うスキルの向上、人脈形成ができる
・起業や副業の下準備を始めることができる
・自分のやりたいことに取り組める
と、上記のような点が挙げられます。

またその反面デメリットでは、
・時間や体力、お金といった物理的資源を多く使う
・一つのことを極めるよりも専門性が劣るかもしれない
といったことが考えられます。

これらのメリット、デメリットを踏まえた上で、パラレルキャリアが求められるそのわけと背景を次に紹介していきます。

・なぜパラレルキャリアが必要になるのか?【理由と背景】

【MRは今後生き残れない?】
MRとしてこれからもずっと働いていけるかどうかという不安を抱えておられる方も少なくはないと思います。
これは、MRが医療業界でも一部不要だとも言われており、公益財団法人MR認定センターの資料、2017年版MR白書を見てもわかるように、MR数の減少傾向が続いていることも心理的に影響を与えている可能性が考えられます。

またMR数が単に減っているだけではなく、MRの仕事が『何か』に置き換わっていることから、不要論が後押しされているともとれるのではないのでしょうか。
これは製薬業界のみならず、他の業界でも言われていることです。

人工知能、AI。この脅威は今後どの産業も避けては通れないことでしょう。
事実製薬業界においても、2017年には第一三共が、2018年には沢井製薬がプレスリリースにおいてAIの導入を発表しています。
2017年10月6日第一三共株式会社ニュースリリース;https://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006733.html
2018年2月5日沢井製薬株式会社プレスリリース;https://www.sawai.co.jp/files/press/2018/jyqt49d8lu.pdf

このように既存の仕事をAIに置き換えようとしているのは、製薬企業がこれまでよりも利益の確保が難しくなっていることが主な要因の一つです。
新薬を創出するのにもこれまで以上に時間と費用がかかる上に、2018年度薬価改定では製薬企業が一人負けと揶揄される記事が日本経済新聞にも掲載されています(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27456230X20C18A2XB0000/)。
このこと一つをとっても、製薬企業の経営が困難になっていることがおかわりいただけるかと思います。

【調剤薬局の薬剤師も生き残りが激化する?】
しかしながら、MRを退職して調剤薬局の薬剤師として働くことになったからといって決して安心できるわけではありません。
製薬企業だけではなく、冒頭にも申し上げましたように調剤薬局も同じく厳しい状況に見舞われています。

上の表は、厚生労働省が発表した平成28年度の調剤薬局数を調べた結果です。
全体で見れば、平成27年度からは微増となってはおりますが、都道府県別にみると減少している個所も見受けられます。

この表から言えることは、調剤薬局の増加傾向はすでに頭打ちにあり、調剤薬局の数が増えていないにも関わらず、毎年新たな薬剤師が出てくることを考慮すると、結果として雇用の機会が少なくなるともとれないことはありません。

さらにいえば、雇用の機会が少なるだけではなく調剤薬局の薬剤師に求められる能力も変容しています。
国の政策としては、「かかりつけ薬剤師」が推進されており、今後もこの動きに力を入れていくとの見方が多く存在しています。

「かかりつけ薬剤師」には、下の厚生労働省の資料を見てわかるように、薬の専門家の役割と合わせて、医療機関との連携や患者応対のためにコミュニケーション能力の向上が必要とされています。

とはいえ、もちろん薬剤師の専門性も重視されており、「かかりつけ薬剤師」の業務を診療報酬として受け取ろうとすると、その店舗での在籍年数や薬剤師経験年数、さらには地域での活動実績までもが算定の要件として組み込まれているのです。

調剤薬局数の頭打ち、かかりつけ薬剤師の推進。
MRから薬剤師に転職したからといって一概に安心できない理由は他にもあります。

先ほど製薬企業にAIの波が押し寄せてきていることを紹介しましたが、調剤薬局にもAIが入ってくる可能性は低くありません。
慶応義塾大学と埼玉大学は、企業も含めて人工知能を用いた薬剤師の服薬指導を支援する薬学的推論システムの共同開発を進めているようです(https://www.yakuji.co.jp/entry61705.html)。

AIの導入が進めば、調剤薬局は人手不足に悩まされることが少なくなる反面、薬剤師が現場であふれるような事態も想定できます。
そのような事態に直面した時に、現場で必要とされる薬剤師はどういった方なのでしょうか。

きっと医療の専門性に加えて、他の分野での多様なスキルを兼ねそろえており、柔軟に活躍できる方が重宝されるはずです。
そのためにも薬剤師になったからといって安心するのではなく、普段の業務でスキルを磨きながら違った能力を培う必要があるのではないのでしょうか。

【世間の変化に働き方を合わせる】
MRや調剤薬局の薬剤師が厳しくなるようなことばかりお伝えしましたが、多様なスキルが要求とされるのは何もMRや薬剤師に限ったことではありません。

政府が推進している「人生100年時代構想会議」のメンバーに、話題となったビジネス書籍『LIFE SHIFT』の著者、リンダ・グラットンが選出されました。
リンダ・グラットンはこの書籍の中で、人生のステージの概念が大きく変わり、それに応じて働き方も変化すると述べています。

また働き方の変化に対しては、多くのメディアも注目しているところでもあります。

NPO法人『二枚目の名刺』(http://nimaime.com/)では、単にお金を稼ぐ副業でもなく、自分だけの趣味でもない、社会のこれからに向けての活動を、これまでとは違った関わり方で実現するというビジョンを元に、二枚目の名刺を持つきっかり作りなどの活動をされています。
こちらのホームページを見ると、「活動実績・メディア掲載」の項目では様々なメディアで取り上げられていることがわかります。
二枚目の名刺を持つ、パラレルキャリアが注目されている証ともいえるでしょう。

あるいはパラレルキャリアと同様に、収入を得られる副業についても同様に視線が集まっています。
製薬企業では2016年にロート製薬が社内兼業、また社外での副業解禁の制度を発表し、大きな波紋を呼びました。
制度実施から8ヶ月が経過し、とあるインタビューでロート製薬代表取締役社長、吉野俊昭さんはこの制度について次のように述べています。
「2つの制度は始まったばかりで、試行錯誤の段階であり、具体的にこの先どのように考えているかはまだ話せません。しかし、副業や社内ダブルジョブをする人間は活き活きしているように見えます。これからも、笑顔でチャレンジをし続けられるような仕掛けをどんどん取り入れていきたい。」

製薬業界では、ロート製薬以外に大手企業で現状このような動きは見当たりませんが、働き方改革の波及によって他にもこのような制度を取り入れる企業が出てくる可能性は十分考えられます。

製薬企業や調剤薬局、はたまた日本社会の今後を考えた時に、一つの職業に依存するのではなく、報酬の有無に関わらず他方面での職業能力形成が重要な鍵となり得ます。
そうすることが、MRとして、薬剤師として生き残っていくだけではなく、ロート製薬吉野社長の言葉にもあるように、より活き活きと人生を過ごすことにも繋がるのかもしれません。

・薬剤師のパラレルキャリア、どう実践すればいいのか?

ここまで記事を読んでいただき、いざパラレルキャリアを始める気になったとしても、どうしたらいいかわからないという方も多いのではないかと思います。
そこでMR経験者が調剤薬局に転職し、どのようなパラレルキャリアを実践しているのか、実例を3つご紹介します。

【パラレルキャリア薬剤師その①;加納 裕介さん】

内資系メーカーの出身で、MR経験は8年。
30歳という節目で調剤薬局の薬剤師へと転職し、その後にご自身で薬局を開業しています。

加納さんは薬剤師、薬局経営者としての側面と、自分の経験から調剤薬局の独立開業するノウハウを教えるべく「独立開業成功塾」を立ち上げ、現在では東京と大阪で3期まで運営をされています。
薬剤師と塾講師。独立しているからこそできることなのかもしれませんが、パラレルキャリアの一例ともいえるでしょう。

何も自分で薬局を立ち上げたからといって、塾の形式でノウハウを伝えるのは誰にでもできることではありません。
そこにはMR経験を通じて育まれたプレゼンテーションスキルが活かされているはずです。

MRをしている状況では気づきにくいかもしれませんが、調剤薬局で勤務しているだけでは身につかない能力も沢山あります。
加納さんの例からもわかるように、これまでの経験を直接パラレルキャリアに繋げるというのも、一つの手段として考えられます。

【パラレルキャリア薬剤師その②;松本 絋嗣さん】

内資系メーカーにて、3年間MRを経験し調剤薬局に転職した松本さん。
薬剤師に転職して1年ほど経過して、現状としては睡眠健康指導士としても活動しています。

睡眠健康指導士とは、いわば睡眠のスペシャリストです。
一般社団法人日本睡眠教育機構が認定する資格で、医師、歯科医、薬剤師、整体師、介護士といった医療従事者も多く取得をしています。

松本さんは薬剤師に転職前、MRをしながら団体の検定を受けこの資格を取得しました。
「睡眠」に興味を持ったきっかけは、振り返りの際にふと睡眠に悩まされていたと気付いたこと。
学生時代はあまり感じなかったが、社会人になるにつれ、朝なかなか起きづらくなっている状況に対して、上手く睡眠をコントロールしていきたいと思い、勉強に取り組み始めました。

現在では睡眠健康指導士として得られた知識を、調剤薬局での服薬指導に活かすのみならず、この資格取得を皮切りに睡眠に関するコラムまで担当しておられます(https://gms.press/column/1879/)。

松本さんのように、薬剤師と睡眠健康指導士という、同じ医療分野の括りの中でもパラレルキャリアを実践することは可能です。
医療分野でパラレルキャリア実践の考えているのであれば、MRの時に担当していた製品周辺の疾患領域から考えてみるというのもMR経験者の薬剤師ならではの方法だと思います。

【パラレルキャリア薬剤師その③;瀬迫 貴士】

最後は私自身の紹介になるのですが、2年間MRを勤め上げた後に調剤薬局に移り、3年が経ちました。

私の場合は、薬剤師とキャリアコンサルタント。
キャリアコンサルタントとは、2016年に国家資格化されたもので、比較的歴史の浅い資格です。

キャリアコンサルタントを取得するまでは、大学を卒業してから継続して、母校で薬学生に向けた就職活動支援のイベントを、ボランティアで一年に一回行っていました。
それから、そのイベント自体の質の向上とキャリアへの興味があったことから、資格取得を決意し2017年にキャリアコンサルタントとなりました。

5年ほどボランティア活動を続け、薬剤師業をしているだけでは経験できないことも多く、キャリアに関する知識も多く身についたと実感しています。
大学でのイベント以外にも、資格を取得してからは中小企業3社へのキャリアコンサルティング業務や、キャリアコンサルタント国家試験勉強法セミナーの講師を担当させていただきました。

はじめは年に一度のボランティア活動しか行っていませんでしたが、地道な継続がパラレルキャリアの体現になったのだと、今振り返ってそのように思います。
週単位で時間を捻出しづらい状況だとしても、一ヶ月の内に少しずつ時間を作ってみるところから始めてみてもいいのかもしれません。

【ほかにもパラレルキャリアの実現には色々と手段がある!】
MR経験者が調剤薬局に転職し、パラレルキャリアを実践している例ばかりを紹介してきましたが、薬剤師が実践できるパラレルキャリアはまだまだあります。

現役薬剤師のとあるブログ、「薬剤師は日本中に浪漫を届けたい」で薬剤師にオススメの副業と、副業を行う際の注意点を紹介されています。
(http://www.romanpharmacist.com/entry/yakuzaishi-fukugyou)
こういった情報を参考にしてみるのも一つの手です。

また、転職支援サイト「HOP!」では、薬剤師取材特集の記事において、薬剤師とドックセラピストの二足のわらじを履いている方を紹介されています。
(https://www.hop-job.com/pharmacist/post-12895/)
この方のように、一見繋がりが薄く見えるパラレルキャリアの例もありますので、型にはめようとせず柔軟に考えてみるのも良いかと思います。

・最後に…
いかがでしたでしょうか。
漠然と思っていた不安が、製薬企業の動向や調剤薬局を取り巻く政策など、様々な要因によって引き起こされていたのだとお気づきになられたことと思います。

しかし医薬品業界のみならず、どの産業も長寿化や少子高齢等の人口動態、テクノロジーの進歩によって大きな変化を受けています。
私たちが過ごす日常も大きくその影響を受け、働き方も当然のごとく変化を受けることとなります。
時代の変化に目をそらすのではなく、変化に対応できるよう、そして変化を楽しめるようにまずは日々の過ごし方を変えていく必要があるのではないでしょうか。

パラレルキャリアは小さなことから実践できます。
敷居が高いように感じられるかもしれませんが、本業以外でしたいこと、興味があることを始めるには打って付けの機会です。
まずはいきなりお金を得ることを意識せず、ボランティア感覚で社会貢献や、本業ではできない自己実現、あるいは自分の能力を高める目的でパラレルキャリアを実践してみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

サイト運営者の加納です!!
MR歴8年、薬剤師歴も8年を超えました。
MR経験が薬剤師になっても最大に活かせることを自身の経験から感じています!
プライベートはお酒と島が好きで、特に沖縄宮古島が大好き!!
もっと詳しいプロフィールはこちら

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